何が原因かわからないですが、息子が学校に通わなくなって半年。来年は中３で受験生でした。私自身が焦ってばっかりで、「学校に行きなさい！」「何で行かないの？」こういった息子を責める言葉を数えきれないくらい言ったか分かりません。息子からその回答を聞けるわけでもなく親子関係は険悪なものになっていきました。
息子はどんどん笑わなくなりました。友達と遊んだり、家族の会話も極端に少なくなり１日のほとんどを部屋に閉じこもったままになりました。この状況を何とか抜け出したい一心でしたが私ではどうにもできないので、不登校の子供を見てくださる塾や家庭教師を考え始めました。その中で不登校専門がある家庭教師派遣協会さんと出会い、息子の状況を把握した上で先生をご紹介くださるということでお任せすることにしました。

初めて家庭教師の先生にお会いする日、息子の表情はいつも通り変わらず、私たち両親の方が数倍緊張していたように思います。息子の希望で、本人の部屋で指導ということになりました。子供の声が聞ければと、指導中何度も部屋の前を通りました。指導が終わり、息子に「今日はどんなことしたの？」と聞いても答えてくれませんでしたが、先生が今日の様子を話してくれました。それを記した報告書も見せていただきました。その報告書には指導中の息子の様子も書いてあり、先生が息子を本当に優しく見守ってくださっていることを感じられました。

息子は長い間勉強から遠ざかっており、いきなり勉強を始めるには無理がありました。先生はそれを見抜いてくださり、授業を始める前に「今勉強しても拒否している状態なので、まずはお子さんの好きなゲームをやりながら雑談からコミュニケーションを取るように進めていきます」と言われました。勉強をすれば学校に行ってくれると思っていたのでゲームを一緒にするとはどういうことかと始めは思いました。しかし自分ではどうしようもないので先生に全てお任せしました。時には散歩に２人で出かけ、買い物をしたり、少し遠出をして遊びに行くなど、社会との関わり方の練習もしてくださいました。

指導回数を重ねるごとに息子が変わっていくのが分かりました。授業中、部屋から子供の笑い声が聞こえた時には思わず涙が出そうでした。私が今までどうしていいかわからず苦しみ、何がいけなかったんだろう、そう思って先生と何回もじっくりお話をさせていただきました。先生は「学校に行きなさい」「なんで学校いかないの？」と１回も言っていないそうです。逆に「お子さんには学校に行きたい気持ちがるんですよ。でもどうしていいか分からないんです。今の状況が悪いわけではありませんから、高校に向けて準備しましょう」と言われました。息子がそんなことを思っていたなんて、驚きと恥ずかしさでいっぱいでした

家庭教師を始めて１年が経ち、高校を受験することになり、先生は受験日に一緒に試験会場まで行ってくださいました。熱心にご指導いただいたおかげで息子は合格。すぐにまた不登校の道に戻ってしまうのではと不安でしたが、高校２年性の今、息子は毎日私の作ったお弁当を持って登校しています。その上サッカー部にも入り楽しい高校生活を送っています。家庭教師の先生も時々遊びに来てくれます。夕方、息子が玄関を開け「ただいま」と言ってくれる瞬間、これが何よりも嬉しく思っています。
家庭教師派遣協会のみなさま、先生、本当にありがとうございました。

（松山市・Hくんの親御さん）